









▼今回事故を起こした,東京電力(東電)の福島第1原子力発電所も沸騰水型原発(BWR)だった.














.


この地震によって,東京電力福島第1原子力発電所の1号炉から6号炉が停止した(5号炉,6号炉と4号炉は定期点検で停止していた).


また,地震によって引き起こされた大津波により,原子炉や使用済核燃料プールを冷却するために必要な外部電源や非常用ディーゼル発電など,全ての電源が失われた.
いわゆる,起きてはならぬ電源喪失が起きてしまったのだ.


2011年3月11日(金) 15:45 にオイルタンクが大津波によって流出し,つぎつぎにディーゼル発電機が停止する.
だが,当時現場で仕事をしていた作業員の証言では,「津波が来る前に水が漏れていて,非常用ディーゼル発電機が動いていたのは2号機だけだった」という証言もあり,電源喪失の主原因は津波でなく地震ではなかったのかといわれているが,東京電力としては1000年に1度あるかないかの想定外の津波という説明を変えていない.


2011年3月11日(金) 19:03 に枝野幸男官房長官が記者会見にて,原子力緊急事態宣言を発令した.
だが,国民のほとんどは,この深刻さに気がついていなかった,


東京電力福島第1原子力発電所から半径 2km の住民に避難指示.
さらに 21:23,半径 3km 以内の住民全員に避難命令,半径 3km から 10km 圏内の住民に対し屋内待機の指示が出る(その後,半径 20km 以内に避難指示,半径 30km の範囲で屋内待避指示となる).


核燃料棒(主にウラン)自らの崩壊熱により,猛烈ないきよいで水が蒸発.
核燃料棒を水で満たすことができず,空だきの状態となっていた.
ペレット状の核燃料を筒上のジルコニウム合金(ジルコン)で保護されている.
しかし,ジルコニウム合金は約1100度で溶けだす.
そして,核燃料も溶け出して圧力容器下部に落ち,核燃料などは 2700度に達したとされている.
制御棒も含めて融解するメルトダウン(炉心溶融)だ.


ジルコニウム合金は,融解するときに水(H2O)から酸素(O)を奪うため水素(H)を大量に発生させる.
そして,2011年3月12日(土) 15:36 1号炉建屋が水素爆発した.
そのようすは中継され,世界中が驚愕(きょうがく)した.


実は,米国は福島第1原子力発電所の深刻さを察知し,ホウ酸を炉心に早く入れろと提供を申し出ていた.
だが,東京電力はホウ酸の受け取りを拒否していた.
ホウ酸は,中性子を抑える力があり核反応の減速材として使われる.
だが,一度これを炉に入れてしまえば,4000億円ともいわれる原子炉の廃炉を意味するからだ.
しかも,廃炉には1兆円以上の費用がかかる.


しかし,ようやく2011年3月12日(土) 20:20 から海水注入が開始された.
一度米国に対して断った建前上,再度提供を求めることはなかった.


現時点においても事故の収束はされておらず,放射性物質が原子力発電所から環境中に放出されている.
また,原子炉(圧力抑制室)の損壊や使用済核燃料プールの水温上昇など,いつ深刻な事故が再発してもおかしくない異常事態が続いている.
まだ,予断を許さない.

<関連記事>
(2011年06月20日)東北地方太平洋沖地震@船橋市民まつり船橋港親水公園花火大会(256)
(2011年06月18日)東北地方太平洋沖地震@習志野市の汚水問題(255)
(2011年05月29日)東北地方太平洋沖地震@東京電力の謝り方(238)
(2011年05月22日)東北地方太平洋沖地震@東京電力原発事故の防護服量(235)
(2011年05月23日)東北地方太平洋沖地震@東京ディズニーリゾートの節電(222)
(2011年04月16日)東北地方太平洋沖地震@東京ドームシティの節電(220)

















































<関連記事>





