
約13万m2もある広大な
旭硝子船橋工場跡地の再開発が,ようやく起動する.

その原案が,2010年11月15日開催された
第106回船橋市都市計画審議会で一部あきらかになった.

その原案では,東武野田線
新船橋駅前を中心に10階建てクラスの集合住宅(マンション)が何棟もできる.


その住宅の総戸数は,1500戸にもなる.

1500戸とは,どのくらいの規模なのだろうか.

その参考になる事例がある.
習志野市東習志野2丁目の巨大マンション
ユトリシアだ.

若いファミリー向けマンションとなっている.

ユトリシアは,鉄筋コンクリート造り地上14階で,総戸数 1453戸にもなる.

A棟293戸,B棟303戸,C棟315戸,D棟279戸,E棟301戸となっている.

当初は,地上15階(高さ44.65m),1505戸だったが,地元からの要望もあり,計画を変更した.

実は,総個数が
旭硝子船橋工場跡地の再開発の戸数に近いこと以外にも,色々な面で似かよっているところがある...

巨大マンション
ユトリシアの場所は,2003年までは
JFE建材習志野工場だった.

その前は,
川鉄建材だ.

1961年(昭和36年)から2003年(平成15年)まで操業し,おもに
ホーロー浴槽を生産していた.
日本鋼管ライトスチールとの合併後の合理化により,
習志野工場は閉鎖された.


だが,2004年(平成16年)に工場跡地の土壌から環境基準値の 8000倍の
トリクロロエチレン(洗浄に使われていた)と,355倍の
ホウ素(フリットの副産物. 植物に必要不可欠な元素でもある),111倍の
フッ素(必須微量元素のひとつであるとされるが,過剰摂取は代謝障害がおきるとされている)が検出されたのだ.

地域住民が
井戸を飲用水として使用していたにもかかわらず,監督官庁(千葉県)は1年間地域住民に隠していたことなどから,当時大きな社会問題となった.


ここの工場跡地の場合,汚染された土壌を交換するという方法をとった.

毎日100台近くダンプが千葉市
蘇我の
JFE まで土砂を運び,そこから船で北海道や九州へ運んだのだ.


掘り起こした土壌は地下 10m にもなったが,それでも環境基準値をクリアできず,さらに
土壌浄化工事を延長した.

結局,当初予定していた 1.3倍強(約12万m3 から約16万m3)の土壌量を掘り起こし,ようやく2006年8月末で
土壌浄化工事は完了したのだった.
▼最近販売している区画は,
ユトリシアの名前を使わず,
グリーングリーンのブランドで販売している.


その後の跡地開発において,
ダイヤモンドシティ(現,イオンモール)による大型ショッピングセンター建設計画が持ち上がった.

しかし,
土壌浄化工事費用を含めた土地価格が見合わなかったのか,結局
長谷工長谷工コーポレーションが土地を取得して,巨大マンションの
ユトリシアとなったのだった.
旭硝子船橋工場跡地の再開発ストーリーとよく似ている.
▼すぐ近くの,
習志野市東習志野6丁目の
マックスバリュ東習志野店.

マックスバリュ関東が運営する.

マックスバリュ東習志野店は,2004年11月19日にオープンした.

ここも,大型
ショッピングセンター(イオンモール)が建設されれば,吸収される形で閉店か業態変更をしていたかもしれない.

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